プレミア車種の中古車は、通常の中古車とは違った価値を持ち、中古車市場でも特別な存在として扱われます。高年式で走行距離が短い車が高く売れるのは一般的な常識ですが、プレミア車の場合、たとえ年式が古くても、走行距離が多くても、高額で買い取られることが珍しくありません。では、そもそも「プレミア車」とは何か、そしてそうした車を高く売るためにはどのような点に気をつけるべきなのか、この記事ではその全体像を詳しく解説していきます。
プレミア車とは、市場における需要が非常に高い、もしくは生産台数が限られていることから希少価値が認められている車種のことを指します。その価値は年式やグレード、カスタムの有無などによって変動しますが、共通しているのは「欲しい人が多く、出回っている数が少ない」という特徴です。特に、スポーツカー、限定モデル、海外での評価が高い国産車、過去の名車などがこれに該当します。たとえば、トヨタのスープラ、日産のGT-R(R32・R33・R34)、ホンダのNSX、マツダのRX-7、スバルのインプレッサWRXなどがプレミア車として知られています。
こうしたプレミア車種は、国内だけでなく海外市場でも人気があり、日本国内では需要が落ち着いてきたとしても、アメリカやヨーロッパ、中東などではコレクターや愛好家が高値で購入してくれるケースが多くあります。とくにアメリカでは「25年ルール」と呼ばれる規制があり、新車販売されていない日本の右ハンドル車も、製造から25年以上経過すれば輸入・登録が可能になります。これにより、1990年代の国産スポーツカーの価格が急騰したという背景もあります。
プレミア車の買取において重要なのは、通常の中古車とは異なる評価軸があるという点です。一般的な中古車であれば、年式・走行距離・修復歴の有無が査定の中心となりますが、プレミア車の場合は、純正パーツの有無、オリジナル状態の維持、限定グレードかどうか、改造の内容、内外装の保存状態など、より細かいポイントで価値が決まります。たとえば、同じGT-Rでも純正ホイールが残っている車と社外ホイールに交換されている車では、査定額が数十万円以上変わることもあります。
プレミア車を少しでも高く売るためには、まず「売る相手を間違えない」ことが大切です。通常の中古車買取業者では、プレミア車の価値を正確に判断できないことがあります。そうした業者では、通常の中古車として査定されてしまい、本来の価値に見合わない価格が提示されることがあるのです。そのため、プレミア車の売却には、スポーツカーや旧車、輸入車などの専門買取店を利用するのが基本です。こうした専門業者は市場動向にも詳しく、海外輸出ルートも持っているため、国内だけでなく海外の需要も考慮した価格で買い取ってくれます。